繰り上げ返済と投資は、「ローンの金利」と「投資で見込める利回り」を比べるのが出発点です。ただし、投資の利回りは、約束されていません。
住宅ローンを借りたあと、「余ったお金は、繰り上げ返済に回すか、NISAで投資するか」と迷う人は多いです。この記事では、2,000万円・25年返済の例で、それぞれの効果を試算し、迷ったときの順番を整理します。
住宅ローンを組んだあとって、「早く返したい」気持ちと「増やしたい」気持ちがぶつかるよね(´;ω;`)
数字で見ながら、一緒に整理しよう!
STEP1:繰り上げ返済とは?
繰り上げ返済は、毎月の返済とは別に、お金を前倒しで返すことです。返した分の元本にかかる、将来の利息が、なくなります。タイプは、2つあります。
期間短縮型
毎月の返済額はそのままで、完済までの期間が短くなる。利息の軽減効果は、大きめ。
返済額軽減型
返済期間はそのままで、毎月の返済額が減る。家計に余裕ができる。
手数料は、金融機関によって違います。たとえば、フラット35の繰り上げ返済手数料は無料で、最低金額は、窓口が100万円以上、ウェブが10万円以上です。申し込みは、返済日の1か月前までに必要です(リクルート「スゴい住宅ローン探し」、2024年9月公開)。
※ 手数料や最低金額は、借りている金融機関で、必ず確認してください。ネット銀行や、大手銀行では、条件が違います。
STEP2:繰り上げ返済の効果は?
仮の例で、効果を試算します。残高2,000万円、残り25年(元利均等)のローンに、300万円を、期間短縮型で繰り上げ返済した場合です。
| ローン金利 | 短縮される期間 | 支払総額の減少 | 実質の利益 |
|---|---|---|---|
| 1.0% | 約4年2か月 | 約377万円 | 約77万円 |
| 1.5% | 約4年5か月 | 約422万円 | 約122万円 |
| 3.0% | 約5年2か月 | 約587万円 | 約287万円 |
※ 筆者の試算です。「実質の利益」は、支払総額の減少額から、繰り上げ返済した300万円を引いた金額です。手数料、経過利息、住宅ローン控除の影響は、含めていません。
金利が高いほど、効果は大きくなります。つまり、繰り上げ返済は、ローンの金利と同じ利回りで運用する、元本が減らない方法とも言えます。
STEP3:投資なら、どうなる?
同じ300万円を、25年間、新NISAで投資した場合を、仮の年利で計算します(運用益は非課税の前提)。
300万円を25年間、使った場合の利益の目安(万円・仮の試算)
- 年利1.5%なら、約135万円ローン金利1.5%の繰り上げ(約122万円)と、近い水準です。
- 年利3.0%なら、約328万円ローン金利1.5%の繰り上げを、上回ります。
- 年利0%なら、利益はゼロマイナスになる年も、あります。
ただし、投資の年利は、毎年この数字になるわけではありません。プラスの年も、マイナスの年もあります。しかも、繰り上げ返済は、確実に利息が減るのに対して、投資は損をする可能性があります。
※ 新NISAの制度は、年間投資枠が、つみたて投資枠120万円と、成長投資枠240万円(併用で年360万円)、非課税保有限度額が、総枠1,800万円(うち成長投資枠1,200万円)、非課税期間は無期限です(J-FLEC資料、2026年5月作成)。年利は、筆者の仮の設定で、将来の成績を、約束するものではありません。
STEP4:ローン控除があると、どう変わる?
住宅ローン控除を使っている間は、年末のローン残高に応じて、所得税などが減ります(控除率は原則0.7%。条件や期間は、入居時期などで違います)。繰り上げ返済で、残高が減ると、控除の額も減るため、金利が低いときは、繰り上げ返済の効果が、小さくなる場合があります。
- 金利が低く、控除を受けている間:無理に繰り上げ返済を急がなくても、いい場合があります。
- 控除の期間が終わったあと:金利が、高めのローンなら、繰り上げ返済の効果が、出やすくなります。
※ 控除の条件は、入居時期や、住宅の種類で違います。最新の情報は、国土交通省や国税庁で確認してください。
STEP5:迷ったときの順番
どちらか一方ではなく、順番をつけると、迷いにくくなります。
- 生活防衛資金を、先に確保する。生活費の数か月分は、手元に残します。繰り上げ返済は、一度返すと、お金を戻せません。
- ローンの金利を、確認する。変動金利で、金利が上がりそうなら、繰り上げ返済の効果は、大きくなります。
- NISAの枠を、使うか考える。長期で、値下がりに耐えられるなら、つみたてなど、少額で始める方法があります。
- 余裕資金で、繰り上げ返済する。期間短縮型か、返済額軽減型かを、目的で選びます。
たとえば、「毎月の積立は、NISAで続けて、ボーナスの余りで、繰り上げ返済」のように、両方に分ける方法もあります。
私は、「全部どっちか」じゃなくていいと思うよ(*’ω’*)
手元のお金を、ちゃんと残したうえで、少しずつ両方やるのが、安心かな!
STEP6:向いている人の目安
繰り上げ返済が向きやすい人
ローン金利が高め。返済に不安がある。投資の値動きが、苦手。早くローンを終わらせたい。
投資が向きやすい人
ローン金利が低め。長期で続けられ、値下がりに耐えられる。手元資金に、余裕がある。
よくある質問
結局、どっちが得ですか?
ローン金利と、投資の成績で、変わります。繰り上げ返済は、確実性があり、投資は、損をする可能性もあります。生活資金を残して、両方に分ける方法もあります。
繰り上げ返済は、どのタイミングがいいですか?
一般には、早いほど、利息の軽減効果が大きくなります。ただし、生活資金や、教育費などの予定を、考えて決めましょう。
繰り上げ返済で、手元のお金がなくなりませんか?
返したお金は、戻せません。手元に、生活費の数か月分と、急な出費の備えを、残してから、繰り上げましょう。
手数料は、かかりますか?
金融機関で違います。フラット35のように無料のところも、あります。借りている金融機関で、確認しましょう。
まとめ:お金の順番を決めて、選ぶ
- 繰り上げ返済は、確実に利息が減る金利が高いほど、効果が大きくなります。
- 投資は、増える可能性も、減る可能性もある利回りは、約束されていません。
- ローン控除で、効果は変わる金利が低いときは、繰り上げを急がなくても、いい場合があります。
- 順番は、手元資金が先生活防衛資金を残して、そのうえで、考えましょう。
参考:リクルート「フラット35の利用者向け!繰り上げ返済の手順と注意点」/J-FLEC 新NISA資料(2026年5月)(2026年10月30日確認)



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