住宅ローンは、「金利が低いほうが得」とは限りません。金利の種類と、借りる銀行を、返済額が上がっても払えるかという目線で選びましょう。
住宅ローンで迷うのが、変動か固定か、そしてネット銀行か大手銀行かです。この記事では、金利の仕組み、2026年10月時点の金利水準、手数料の見方、選ぶ順番を、初心者向けに整理します。
住宅ローンは、数字が多くて、むずかしく見えるよね(´;ω;`)
でも「いくらまでなら払い続けられるか」から考えると、だいぶ整理できるよ!
STEP1:金利タイプは、大きく3つ
- 変動金利:半年ごとに金利が見直されます。当初の金利は低めですが、金利が上がると、返済額も増える可能性があります。
- 固定期間選択型:「当初10年」など、決めた期間だけ金利が固定されます。期間が終わると、そのときの金利で、変動か固定かを選び直します。
- 全期間固定:借りている間、金利が変わりません(代表例がフラット35)。返済額が分かりやすい反面、当初の金利は高めです。
住宅金融支援機構の調査(2026年1月)では、直近に住宅ローンを利用した人の約75%が変動型でした。
利用した金利タイプ(2025年4〜9月に住宅ローンを利用した人、n=1,237)
※ 住宅金融支援機構「2026年1月 住宅ローン利用者の実態調査」(2026年2月20日発表)。同調査では、金利上昇時の返済額の増え方について、理解に不安がある・理解していない人が合計52.0%でした。
STEP2:金利が上がると、いくら変わる?
金利の差は、数十年の返済で、大きな差になります。3,000万円を35年(元利均等・ボーナス払いなし)で借りた場合の、総利息の目安です(金利が一定として単純計算した、仮の例)。
3,000万円・35年返済での、総利息の目安(金利が変わらない場合)
| 金利 | 毎月の返済額 | 総利息 |
|---|---|---|
| 0.5% | 約7.8万円 | 約271万円 |
| 1.5% | 約9.2万円 | 約858万円 |
| 2.5% | 約10.7万円 | 約1,504万円 |
| 3.83% | 約13.0万円 | 約2,451万円 |
※ 筆者の試算です。実際は、金融機関や商品、借り方によって変わります。
変動金利で、金利が上がっていく場面も想像してみましょう。たとえば、1.5%で借りて10年後に、金利が2.5%になったとすると、残りの25年の返済額は、月約9.2万円から約10.3万円へ増える計算です(仮の例)。さらに3.5%まで上がると、約11.5万円になります。
- 5年ルール:多くの変動金利ローンで、返済額の見直しは5年に1回です。金利が上がっても、すぐには返済額が変わらない仕組みです。
- 125%ルール:見直し時の返済額の増加は、それまでの1.25倍までに抑える仕組みが多くあります。
ただし、これらは金融機関や商品によって、扱いが違います。しかも、返済額が抑えられている間に、利息の払いが追いつかず、元本の減りが遅くなることがあります(未払い利息が出る場合があります)。「返済額が変わらない」ことと、「負担が増えない」ことは、別の話です。契約前に、条件を必ず確認しましょう。
STEP3:2026年10月の金利水準
2026年9月の日銀の金融政策決定会合で、追加の利上げが決まりました(無担保コールレート誘導水準は、1.25%程度)。それを受けて、一部の銀行で、変動金利の基準になる短期プライムレートの引き上げが発表されています。
主な銀行の金利(2026年10月1日時点の掲載値)
| 区分 | 銀行 | 変動 | 10年固定 |
|---|---|---|---|
| メガバンク | 三菱UFJ銀行 | 1.195% | 3.75% |
| メガバンク | 三井住友銀行 | 1.525% | 4.00% |
| メガバンク | みずほ銀行 | 1.275% | 3.60% |
| ネット銀行 | UI銀行 | 1.195% | 3.37% |
| ネット銀行 | SBI新生銀行 | 1.430% | 3.40% |
| ネット銀行 | イオン銀行 | 1.04% | 3.73% |
また、全期間固定のフラット35(返済期間21〜35年、融資割合9割以下、団信込み)の最低金利は、2026年10月で3.83%と、前月から0.37ポイント上がり、現在の制度になった2017年10月以降で、最も高い水準でした。
金利の見方のポイントは、次の2つです。
- 変動と固定の差が大きい:変動は1%台、固定は3%台〜と、当初の差が大きい状態です。この差が、「変動が選ばれる理由」でもあり、「将来の上昇リスクを、自分で持つ」ことの対価でもあります。
- 掲載の金利は、条件つき:多くは、最も優遇された場合の金利です。自分が借りる場合の金利は、審査や条件で変わります。
※ 金利は、いえーる住宅研究所の記事(2026年10月2日公開、10月1日時点)、フラット35の金利は、熊本日日新聞の報道(住宅金融支援機構の発表、2026年10月1日)にもとづきます。最新の金利は、各行の公式サイトで確認してください。
STEP4:変動と固定、どう選ぶ?
変動が合いやすい人
金利が上がっても、返済額が増えて払える余裕がある人。繰り上げ返済などで、元本を減らしていける人。
固定が合いやすい人
毎月の返済額を、先まで決めておきたい人。金利が上がる不安で、落ち着かなくなりそうな人。
- 無理なく払える上限を決める。手取りのうち、返済に回せる金額を、先に決めます。
- 金利が上がった場合の返済額を、試算する。「今の金利」ではなく、金利が2%や3%上がった場合も、払えるかを確認します。
- 貯金を残す。頭金を入れすぎず、生活費の数か月分と、修繕のためのお金は、手元に残します。
- 当初固定と変動を、組み合わせる選択肢も。一部を固定、残りを変動にする借り方もあります。
迷ったら、「金利が上がっても払える金額」まで、借りる額を下げるのが、安全な考え方です。
変動か固定かは、「どっちが得か」を当てるゲームじゃないよ!
金利が上がっても、家計が回るか、で決めるのが安心かな(*’ω’*)
STEP5:ネット銀行と大手銀行の違い
| 項目 | ネット銀行 | 大手銀行 |
|---|---|---|
| 金利 | 低めの傾向 | やや高めの傾向(優遇で変わる) |
| 手数料 | 借入額の一定割合のことが多い | 定額のことが多い |
| 相談 | オンライン・電話中心 | 店舗で対面の相談ができる |
| 手続き | 書類のやり取りも、オンライン中心 | 窓口で進められる |
| 団信(保障) | 病気の保障が手厚い商品もある | 商品による |
※ あくまで一般的な傾向で、銀行や商品によって違います。
手数料の違いは、金利だけでは見えない差になります。たとえば、事務手数料が借入額の2.2%の場合、3,000万円で66万円です(仮の例)。一方、定額で数万円の場合もあります。金利が低くても、手数料が高ければ、総額では逆転することもあるので、「金利」と「諸費用」を、セットで比べましょう。
- 事務手数料・保証料:借入時にかかる費用です。保証料が不要でも、手数料に含まれている場合があります。
- 団信(団体信用生命保険):死亡・高度障害などに備える保険です。金利に上乗せして、病気の保障を足せる商品もあります。
- 繰り上げ返済の手数料:無料のところ、有料のところがあります。
- 審査の通りやすさ:職業や勤続年数などで、結果が変わります。
STEP6:借りる銀行は、比べて決める
住宅ローンは、1つの銀行だけで決めないのが基本です。金利や手数料は、銀行によって違い、あとから変えにくいものです。
- 2〜3行に、仮審査を申し込む。ネット銀行と大手銀行を、両方入れて比べます。
- 「金利」と「諸費用」を、同じ条件で並べる。同じ借入額・期間・金利タイプで、総額を比べます。
- 不動産会社の提案も、参考に。提携ローンは便利ですが、条件が合うかは、自分でも比べて確認します。
- 契約前に、質問する。金利の見直し方、繰り上げ返済、団信の内容などを、確認します。
家を買う全体の流れや、複数の会社で相見積もりを取る大切さは、次の記事でも解説しています。
▶家を買うなら一戸建てをお得に買う方法を見る›借りたあとに、やっておきたいこと
- 住宅ローン控除の確認:条件を満たすと、年末の残高に応じた控除が受けられる制度です。入居の時期や、住宅の条件で内容が変わるため、国土交通省や国税庁で、最新の情報を確認しましょう。
- 借り換えの検討:金利や条件によっては、借り換えで負担が減る場合もあります。ただし、手数料もかかるため、総額で比較します。
- 繰り上げ返済:元本を減らすと、将来の利息が減ります。ただし、手元の資金とのバランスも大切です。
住宅ローンは、人生で一番長く付き合う「借金」とも言えるよね。
だからこそ、焦らず、複数の銀行を比べて決めてほしいな(*´ω`*)
よくある質問
結局、変動と固定はどっちがいいですか?
将来の金利は、誰にも分かりません。「どちらが得か」より、金利が上がっても払い続けられるかで選ぶのが、現実的です。
ネット銀行は、不安ですか?
ネット銀行も、銀行法にもとづく銀行です。ただし、相談は、オンラインや電話が中心になります。手数料や、団信の内容、サポート体制を、比べて決めましょう。
頭金は、多いほうがいいですか?
頭金が多いと、借入額や利息は減ります。ただし、手元の現金を使い切ると、急な出費に対応しにくくなります。生活費や、修繕のお金は、残しておきましょう。
借りる前の仮審査で、落ちることはありますか?
あります。年収や勤続年数、他の借入状況などで、結果が変わります。複数の銀行に申し込む場合は、各行の条件を確認して進めましょう。
まとめ:払い続けられるかで、選ぶ
- 金利タイプは3つ変動・固定期間選択型・全期間固定があります。
- 金利の差は、総額で大きな差に3,000万円・35年で、1.5%なら総利息は約858万円、3.83%なら約2,451万円です(仮の試算)。
- 上がった場合の返済額も、想像する5年ルール・125%ルールがあっても、負担は増える可能性があります。
- 金利と諸費用をセットで比べるネット銀行と大手銀行は、手数料の仕組みが違います。
- 複数の銀行を比べる仮審査を2〜3行に出して、同じ条件で並べましょう。
参考:住宅金融支援機構 2026年1月 住宅ローン利用者の実態調査/いえーる住宅研究所 2026年10月 住宅ローン金利比較/熊本日日新聞(フラット35 10月金利)(いずれも2026年10月30日確認)




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