賃貸と持ち家のお金の総額は、条件しだいでほぼ同じになります。決め手は、お金より「ずっと払い続けられるか」と「暮らし方」です。
「家賃を払い続けるのはもったいない」「でも買うのは不安」。よくある悩みを、55年間(30〜85歳)の総額で試算して整理します。持ち家の維持費や、住み替えのしやすさなど、お金に出にくい差もあわせて見ていきましょう。
私は「どっちが得か」より、「どっちなら安心して払えるか」で考えるのが大事だと思うよ(*’ω’*)
この記事では、数字で比べてみるね!
STEP1:試算の前提をそろえる
比べるときは、条件をそろえることが大切です。今回は、次の仮の条件で計算します。
| 項目 | 持ち家(マンション) | 賃貸 |
|---|---|---|
| 住む期間 | 30歳〜85歳の55年間 | |
| 主な条件 | 価格4,000万円、頭金400万円、借入3,600万円 | 家賃 月11万円(55年間、変わらない前提) |
| ローン | 35年、金利1.5%(全期間一定の前提)→ 月約11.0万円 | - |
| 諸費用 | 購入時の諸費用 200万円 | 更新料 家賃1か月分を2年ごとに27回、引っ越し6回(1回40万円) |
| 維持費 | 固定資産税 年12万円、管理費 月1.2万円、修繕積立金 月約1.3万円 | - |
※ 修繕積立金は、国土交通省の「令和5年度マンション総合調査」の平均額(月13,054円、1戸あたり)を参考にしました。管理費、固定資産税、諸費用、引っ越し費用は、筆者の仮の設定です。住宅ローン控除、売却益、家賃の上昇は、含めていません。
STEP2:55年間の総額を比べる
持ち家:頭金ローン返済諸費用固定資産税管理費・修繕積立金設備交換
賃貸:家賃更新料引っ越し費用
55年間にかかるお金の目安(万円・仮の試算)
- 持ち家:約7,743万円ローンの返済が約4,630万円で、そのほかに、頭金・諸費用・税金・管理費・修繕費が、かかります。
- 賃貸:約7,797万円家賃が約7,260万円で、更新料や、引っ越し費用が加わります。
この条件では、差は約54万円で、ほぼ同じです。ただし、持ち家には物件という資産が残る(価値は、立地や築年数などで大きく変わります)のに対し、賃貸には、残りません。逆に、持ち家は、売れないリスクや、想定外の修繕費も、自分で持ちます。
STEP3:前提が変わると、結果は逆になる
家賃と金利を変えると、どうなるでしょうか。
| 条件 | 持ち家 | 賃貸 | 差 |
|---|---|---|---|
| 家賃10万円、金利1.5% | 約7,743万円 | 約7,110万円 | 賃貸が約633万円安い |
| 家賃11万円、金利1.5% | 約7,743万円 | 約7,797万円 | ほぼ同じ |
| 家賃12万円、金利1.5% | 約7,743万円 | 約8,484万円 | 持ち家が約741万円安い |
| 家賃11万円、金利2.5% | 約8,518万円 | 約7,797万円 | 賃貸が約721万円安い |
※ 筆者の試算です。賃貸は「家賃×660か月+更新料(家賃1か月分×27回)+引っ越し240万円」、持ち家は「頭金+ローン総額+諸費用200万円+固定資産税660万円+管理費・修繕積立金1,654万円+設備交換200万円」で計算しました。
家賃が1万円変わるだけで、差は600〜700万円以上動きます。金利が1%上がれば、持ち家の総額も、約775万円増えます。「どちらが得」は、前提で簡単にひっくり返るので、「自分の場合」を入れて、試算してみるのが大切です。
※ 変動金利で借りた場合は、金利が上がると返済額が増える可能性があります。ローンについては、住宅ローンの選び方の記事を参考にしてください。
STEP4:お金に出にくい、違い
持ち家のいいところ
自分の資産になる。ローン完済後は、住居費が下がる。間取りや内装を、自由に変えやすい。高齢になっても、住まいを確保しやすい。
持ち家の注意点
簡単に住み替えられない。修繕費や税金は、自分で払う。災害や、周りの環境の変化の影響を受ける。
賃貸のいいところ
転職や家族の変化に合わせて、住み替えやすい。大きな修繕費を、自分で払わなくていい。ローンの借金を、背負わない。
賃貸の注意点
家賃は、ずっと払い続ける。資産は残らない。年齢や、収入によって、入居の審査で、苦労することがある。
どっちにもいいところと、大変なところがあるよね。
今の暮らしと、10年後を想像して、選んでみてね( *´艸`)
STEP5:持ち家が向いている人・賃貸が向いている人
- 持ち家が向きやすい人長く同じ地域に住む予定で、頭金と、ローンの余裕がある。維持費も、自分で管理していける。
- 賃貸が向きやすい人転勤や転職、結婚などで、住む場所が変わりそう。貯金を、投資や、ほかのことに回したい。
- どちらでも、あまり差が出ない人家賃と購入の総額が近く、暮らし方の好みが、決め手になる。
迷ったら、まずは賃貸で暮らしながら、資金を貯めて、条件の合う物件が出たときに買うという選び方もあります。急いで決める必要はありません。
STEP6:決める前の、4つのチェック
- 無理なく払える返済額か。金利が上がった場合も、試算しておきます。
- 貯金は残るか。頭金で、生活費の数か月分と、修繕の備えを、使い切らないようにします。
- 10年後も、そこに住むか。転職や家族の変化を、想像してみます。
- 売れる・貸せる物件か。立地や築年数など、将来、手放すときの選択肢を、考えます。
よくある質問
結局、どっちが得ですか?
条件しだいです。この記事の仮の試算では、55年間の総額は、ほぼ同じでした。家賃や、金利、住む期間で、結果は変わります。
家賃を払い続けるのは、もったいないですか?
持ち家も、ローン、税金、管理費、修繕費を払い続けます。「払う」こと自体は、どちらも同じで、違いは、資産が残るかどうかや、住み替えやすさです。
老後は、賃貸だと不安ですか?
年齢が上がると、入居の審査が、厳しくなることがあります。賃貸で暮らす場合は、収入の見通しや、貯金、保証人の代わりになる仕組みも、考えておくと安心です。
頭金は、いくら必要ですか?
頭金なしで借りられる場合もありますが、借入が増え、利息も増えます。諸費用や、生活費、修繕の備えは、手元に残しておきましょう。
まとめ:お金だけで、決めない
- 総額は、条件しだいでほぼ同じ仮の試算では、55年間で、持ち家約7,743万円、賃貸約7,797万円でした。
- 前提で、結果が変わる家賃が1万円、金利が1%変わると、数百万円の差になります。
- お金に出にくい差がある資産が残るか、住み替えやすいか、修繕を自分で持つか、などです。
- 自分の場合で、試算する実際の家賃と、物件・金利を入れて、確認しましょう。
参考:国土交通省 令和5年度マンション総合調査(修繕積立金)/リクルート「持ち家と賃貸で比較してみよう」(費用項目の考え方)(2026年10月30日確認)




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