ガス料金の見直しは、まず「都市ガスかLPガスか」と「契約者は誰か」を確認するところから始まります。
この2つで、自分で会社を変えられるかどうかが決まります。この記事では、賃貸・持ち家、一人暮らし・家族世帯の4つの視点で、見直しの進め方をまとめました。
STEP1:まず、自分のガスを確認する
毎月届く「検針票」か、請求書・契約書を見て、次の3つを確認します。
- ① 都市ガスか、LPガス(プロパンガス)か都市ガスは、地域のガス管で届くガスです。LPガスは、ボンベで届くガスです。種類によって、見直せる内容が変わります。
- ② 契約者は、誰になっているか検針票の宛名が自分なら、自分で契約しています。大家さんや管理会社の名前なら、建物でまとめて契約している可能性があります。
- ③ 料金の内訳と、使用量基本料金・従量料金・設備料金(LPガスの場合)の金額と、1か月の使用量(㎥)を控えておきます。比較のときに必要です。
見直せる? 4パターンで確認
賃貸にお住まいの方
- 賃貸 × 都市ガス契約者が自分なら、ガス会社の切替ができる場合があります。建物でまとめて契約している物件や、住んでいる地域に新しいガス会社がない場合は、選べません。
- 賃貸 × LPガス入居者が事業者を選べないことが多く、入居後に料金がわかるケースも多いとされています。見直しの中心は、「入居前に料金を確認する」ことと、「請求の内訳(特に設備料金)を確認する」ことです。
持ち家にお住まいの方
- 持ち家 × 都市ガス契約者は自分なので、地域に新しいガス会社があれば、自分の判断で切替ができます。
- 持ち家 × LPガス契約している事業者に料金を確認し、ほかの事業者と比べることができます。ただし、配管などの設備が事業者のものか、解約時に精算があるかを、契約書面で確認してください。
一人暮らし・家族世帯で、見るところが違う
一人暮らし
使う量が少ないため、毎月かかる基本料金の差が効きやすくなります。割引の大きさだけでなく、基本料金込みの合計で比べましょう。
家族世帯
お風呂・調理・給湯で使う量が増えるため、従量料金の単価の差が積み重なります。電気とのセット割がある会社もあるので、条件も確認しましょう。
どちらの場合も、検針票で確認した自分の使用量(㎥)で、各社の料金表を計算して比べるのが基本です。
ガス代の平均は、いくら?
総務省統計局の「家計調査」(2025年)では、二人以上の世帯のガス代は、1か月あたり平均4,882円でした。光熱・水道費の内訳は、電気代13,219円、ガス代4,882円、他の光熱1,379円、上下水道料5,067円です。
※ 出典:総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2025年平均結果の概要」(二人以上の世帯)。都市ガスとLPガスの両方を含む平均です。実際の金額は、世帯人数・地域・季節・契約で大きく変わります。単身世帯のガス代の内訳は、今回確認した資料には載っていませんでした。
ガス代は、過去から上がっている?
家計調査のデータで、2000年からの推移を見てみましょう。
二人以上の世帯のガス代(1か月あたり平均・円)の推移
- 長期では、右肩上がりではありません2000年は月5,888円、2025年は月4,882円でした。最も高かったのは2008年(月5,971円)、最も低かったのは2021年(月4,648円)です。
- 年ごとの上下は、大きい2021年から2022年にかけては、年間の支出が約13%増えました。一方、2024年は前年より約9%減り、2025年は約2.9%増えています。
- だから、「平均が下がったから大丈夫」とは言えませんこの数字は、世帯全体の平均です。自分の料金が高いかどうかは、検針票で確認する必要があります。
※ 出典:総務省統計局「家計調査」家計収支編・二人以上の世帯(e-Stat掲載の年次データ)。年間の支出額を12で割った月平均で、計算は当サイトで行いました。2024年・2025年の月平均は、統計局の「2024年・2025年平均結果の概要」の数字と一致することを確認しています。これは「支出額」で、料金の単価そのものではありません。使った量や、世帯の状況の変化も含まれます。また、都市ガスとLPガスの両方を含む平均です。
都市ガスの切替のしかた
- STEP1:検針票を用意する切替の申し込みには、検針票に書かれた「お客さま番号」と「供給地点特定番号」が必要とされています。
- STEP2:ガス会社を比べる基本料金、従量料金の単価、セット割、契約期間や解約時の条件を、自分の使用量で比べます。
- STEP3:新しい会社に申し込む切替事業者の案内では、これまでのガス会社への解約連絡は新しい会社が行い、費用や工事の立会いは不要とされています。
- STEP4:切替日を待つガス管やメーターは、これまでと同じものを使います。切替後も、ガスの供給と保安は、地域のガス導管事業者が行います。
※ 家庭向けのガス自由化は2017年4月に始まりました。ただし、都市ガスが通っているのは国土の一部で、普及率は全国で約48%(2025年5月時点)、新しいガス会社のシェアは全国で16.4%(2025年4月時点)とされています。資源エネルギー庁の資料の数字を、民間の比較サイト(セレクトラ)の記事で確認しました。
賃貸のLPガスは、ここを確認
賃貸住宅のLPガスは、2024年から2025年にかけて、制度が変わりました。
- 料金は3つに分けて表示(2025年4月2日施行)請求は、「基本料金」「従量料金」「設備料金」の3つに分けて通知されます。設備料金がない場合も、「0円」または「該当なし」と書かれます。
- 賃貸の設備費は、LPガス料金に入れられない賃貸集合住宅の新規契約では、オーナーが負担すべき給湯器やエアコンなどの費用を、入居者のLPガス料金に含めることが禁止されています。事前の合意がなければ、原則として設備料金の負担は発生しません。
- 既存の契約は、経過措置がある2025年4月2日時点で結ばれていた契約は、設備費を料金に含めること自体は禁止されていません。事業者には、新しい制度に合わせた料金への早期の移行が求められています。
- 入居前に、料金を確認できる入居希望者から求められた場合、事業者は料金などの情報を提供する必要があります。契約前に、不動産会社に確認しましょう。
- 切替を制限する契約は禁止(2024年7月2日施行)事業者の切替を制限するような、条件付きの契約は禁止されています。
見直すと、いくら変わる? 仮の計算
見直しの効果は、会社・プラン・使用量によって変わります。ここでは、毎月の差額が仮にこの金額だった場合の、1年間の差を計算しました。
- 毎月300円安くなった場合1年間で、3,600円です(上の平均額に対して、約6%)。
- 毎月500円安くなった場合1年間で、6,000円です(約10%)。
- 毎月1,000円安くなった場合1年間で、12,000円です(約20%)。
※ 毎月の差額は仮の数字です。実際に安くなるとは限りません。料金は、燃料価格などで変わります。
切替以外に、できること
- お風呂は、続けて入る間をあけると、お湯を温め直す分のガスが余分にかかります。
- 給湯の設定温度を、季節に合わせる夏は、温度を低めにしても使えることがあります。
- 引っ越しや家族が増えたときに、契約を見直す使う量が変わると、合うプランも変わります。
電気代の見直しも、あわせて行うと、光熱費全体が整えやすくなります。
よくある質問
- ガス会社を変えると、安全面は変わりますか?
- 都市ガスの自由化で変わったのは「販売」の部分です。ガス管やメーターはそのままで、供給と保安は、地域のガス導管事業者が従来どおり行うとされています。
- 賃貸でも、ガス会社は変えられますか?
- 都市ガスで、契約者が自分なら、変えられる場合があります。建物でまとめて契約している場合や、LPガスで入居者が選べない場合は、変えられないことが多いです。
- 料金が高いかどうか、どう判断すればいいですか?
- 検針票の使用量(㎥)と、基本料金・従量料金・設備料金の内訳を、ほかの会社の料金表と比べます。LPガスは料金が事業者ごとに違うので、内訳の確認が大切です。
まとめ
ガス料金の見直しは、まず、ガスの種類と契約者を確認することから始まります。都市ガスで契約者が自分なら、切替を検討できます。賃貸のLPガスなら、料金の内訳と設備料金の確認が出発点です。
一人暮らしは基本料金、家族世帯は従量料金の単価に注目して、自分の使用量で比べてみてください。
参考:消費者庁「賃貸住宅のLPガス料金 賃貸借契約の前に確認しましょう」/総務省統計局「家計調査報告 2025年平均結果の概要」/経済産業省(2025年4月2日)/神奈川県「LPガスの料金内容の透明化に向けた制度改正について」/資源エネルギー庁 液化石油ガス流通WG資料/セレクトラ「都市ガス自由化」(民間)
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